物語を考えてみた。2
いく日か後、村には殺された村人の遺体はなく、血の跡が残るだけとなっていた。そこへ、廃刀令が出ていたにもかかわらず、刀を帯びた黒いおかしな服装をした4人の侍が村を訪れた。彼らは他国の軍人服と思われる同じ服を着ていた。
1人目の侍の名は「風間剣斗(かざま けんと)」といった。風間剣斗は優れた剣術の使い手であり、勇敢さと決断力を持つ侍だった。背中には大きな箱を背負っていた。
2人目の侍の名は「柳川蓮(やながわ れん)」といった。彼は俊敏な動きと鋭い洞察力を持ち、状況を的確に判断することが得意だったが臆病であった。
3人目の侍の名前は「石川鉄心(いしかわ てっしん)」といった。彼は体力に優れ、力強い剣術を使う。石川鉄心は気骨ある性格であり、困難な状況にも屈せずに立ち向かう強い意志を持っていた。ただ、細かいことが嫌いだった。
4人目の侍の名前は「神崎葵(かんざき あおい)」という女の侍であった。細い体がゆえに他の3人の侍ほど強くはなかったが、彼女は素早い動きで敵を翻弄することができ、鬼に立ち向かうための勇気と信念を持っていた。
そして4人の侍には、1匹のスズメと3匹のカラスがまとわりついていた。
この4人の侍は、鬼の祖を追いかけて村まできた。しかし、鬼の祖の姿は村にはなく、村人もいなかった。村人が殺され食べられたような血の跡だけが残る村で彼らにできることは何もないようにみえたが、1匹のカラスは言葉を発した。
カラス:「鬼の祖は、もうこの村を去っタァ。遥か彼方へと去っタァ。また新たな村が狙われていル。」
カラス:「鬼はまだ近くにいル。村人が残っていないかまた、探しに戻ってくル。」
4人の侍はカラスの言葉を聞き、村の状況に深い憂慮を抱きます。風間剣斗は大きな箱を背負ったまま、一瞬ためらった後、覚悟を決めた表情で頷きます。
風間剣斗: 「新たな村が襲われる前に、私たちは鬼の祖を倒さなければならない。鬼を倒してから鬼の祖を追いかける!」
石川鉄心は重い刀を手にし、力強く頷きます。
石川鉄心: 「オレは、いつでも戦えるぜ。鬼はどこだ?」
神崎葵はしっかりと刀を握りしめ、闘志に燃える眼差しを浮かべます。
神崎葵: 「これ以上、被害を広げないためにも、早く倒して鬼の祖を追いかけないといけないわ。」
柳川蓮は少し不安そうな表情を浮かべつつも、仲間たちの決意に心を奮い立たせます。
柳川蓮: 「私も頑張ります。」
鬼が戻ってくるのは夜。鬼は太陽がある昼間は外へ出ることができず、どこかへ隠れている。村に民家はいくつかあったが、特別大きな屋敷が一つだけあった。死んだ朱優が村人から奪った財力で建てた屋敷であった。
物語を考えてみた。1
時は明治後半、平和な村に生まれた少年、葉燃(はえん)。 閉鎖的な村社会に囲まれながらも、彼は明るい未来を夢見ていた。
村の中には欲深き人間、朱優(しゅゆう)が住んでいた。 彼は欲望の毒牙を葉燃の両親へ伸ばし、冷酷に騙して財産を奪い取った。 無垢な心を持つ両親は朱優の甘言に惑わされ、彼らの言葉に従い財産を渡してしまったのだ。
葉燃はまだ幼く、朱優の陰謀に気づくことはできなかった。 それどころか、朱優の甘言に葉燃も騙され、徐々に葉燃の心が人の心ではなくなっていった。 朱優の毒牙が周りの村人にも襲い掛かり、葉燃は奪うことが正しいことだと考えるようになってしまった。いつしか朱優の影響で葉燃の心は歪み、善悪の区別が曖昧になっていき、真の悪人へとなった。
真の悪人となった葉燃の力は大きく、周りの村人だけでなく、朱優からも恐れられるようになった。朱優や周りの村人は、恐れから葉燃を殺そうとするが、失敗し、逆に皆殺しとなってしまった。
村は血の匂いに包まれ、その獰猛な姿勢に鬼の祖が興味を抱き、彼の前に現れた。 鬼の祖は葉燃の闇に共鳴し、更なる力を約束して葉燃を鬼へと変えてしまった。それは葉燃の望みでもあり、彼は鬼の力を手に入れ、鬼の祖の手下として新たな闇の支配者となることを誓った。